劇団305号室 第二回公演「才女伝」

本日はご来場ありがとうございます。
脚本と演出を担当したごまのはえです。

早いもので劇団305号室もこれで三回目の、そして最後の公演をむかえることができました。
これまで私たちの活動を陰に日向に支えてくださった皆様にあらためて感謝申し上げます。ありがとうございます。

三年間の活動を通じて私が一番楽しかったのは、メンバーのご家族や職場の方に観に来てもらえたことです。きっと、家庭でも職場でも見せない顔をしていたと思います。私たちは家庭だったり職場だったり、それぞれの場所で求められる性格や役わりを演じてしまいます。そして時間がたてば、その性格や役わりはその人本来のもののように思えてきます。例えば息子からすれば自分の母親の娘時代を想像もできないように。
この劇団305号室でも、メンバーはこの場所用の性格と役わりを培ってくれたと思います。それがその人の本当の姿だとか、素顔に近いとか言うつもりはありません。ただ家庭や職場で見せる顔とはまったく違っているであろうことが嬉しいのです。
そしてその顔をご家族や職場の方に見てもらえることが楽しいのです。

三作品目はタイトルを『演人伝』としました。
これは「演劇をしている人たちの話」という意味ではなく、
「演じてしまう人たちの話」という思いをこめています。

劇団305号室はこれで解散です。
星でいうと超新星。
大爆発をご期待ください。

ごまのはえ

(『演人伝』当日パンフレット 「演出のことば」より全文)