キタモトマサヤ/遊劇体
遊劇体主宰。演出家、たまに戯曲も書く、役者もやる。遊劇体において、泉鏡花戯曲の全作品上演および自作戯曲〈ツダ・シリーズ〉そのほかの演出を担当している。外部演出として、C.T.T.事務局プロデュース、DIVEプロデュース、大阪女優の会、桃園会、サクラノモリ@アートプロジェクト、国民文化祭京都演劇プロデュース、燈座など。『闇光る』で第1回仙台劇のまち戯曲賞大賞、神楽舞台で上演した『闇光る』京都公演(再演)で十三夜会賞奨励賞受賞。
公演予定
2016年10月21日(金)~25日(火)
遊劇体#59『ありとほし』
遊劇体#59『ありとほし』
終戦後およそ20年、ヒマワリの咲くころ。タオル工場の工員キノカワミツルは、同じ工場で働く恋人の裏切りを知り、思わず殺めてしまった。深く後悔しているがもう遅い。しかし彼は警察に捕まりたくない。そのため現在、和泉山脈山中に潜伏中なのである。いつ山狩りの連中に発見されるとも知れないという緊張と、疲労と空腹のうちに、彼は幻覚を見ているのか、ひとりの〈ウマ〉と名乗る並走者と遭遇する。
紀貫之の故事伝承と世阿弥による謡曲「蟻通」を下敷きに、どうしようもないニンゲンという存在の滑稽さ、悲しさと、戦争の記憶を遡る(蟻通神社は、信長紀州攻めの焼き落としに遭い、第二次大戦中に陸軍飛行学校建設のための移転があった)、辛辣な風刺喜劇。
写真:尾崎雅久
写真:尾崎雅久